第4005回
パソコンが天下を変えることも
20世紀の後半は
コミュニケーションの手段が次から次へと開発されて、
世界があッという間に一変してしまいました。
テレビが発明されてあッという間に全世界に普及しただけでなく、
計算機が電卓に変わったかと思ったら、
大型コンピューターがたちまちパソコンにまで一変して、
これからもはたしてどういう展開をするのか、
予断を許さないものがあります。
そうした変化にいち早く反応して、
それを企業化することに成功した人は
次の時代を背負う時代の寵児になりました。
ほんのちょっとした思いつきが成功者とそうでない人を
大きく分けてしまったのです。
たとえば、パソコンを使って本を売る商売がはじまった頃、
私はそんなやり方で本を買う人を集められるわけがないと
否定的な見方をしていました。
というのも、私は本屋に行って自分で本を手にとって見て、
どんな内容で著者がどんな考え方で執筆をはじめたか、
理解しないと人は本を買うわけがないと堅く信じていたからです。
その代わり私は時間を惜しがって
読まない本でも束にして買う部類の人に当りますから、
パソコンが本にとって代わるとは思ってもいなかったのです。
それがいとも簡単にひっくりかえって、
パソコンで本を読むこともできるようになったばかりでなく、
本を買うのにいちいちまえがきなど読まずに
パソコンでいきなり注文するのが珍しくなくなったことは
皆さんご承知の通りです。
それどころか、ファッションの衣料や味で勝負する食品でさえも、
自分でデパートまで出かけて行かず、
パソコンで買物をするのが珍しくなくなってしまったのですから、
情報化の時代は
まだまだこれから世間を変えると考えるべきでしょう。
となると、人間の発想も行動も、
情報伝達の手段の変化によって大きく左右されることになります。
軍事力によって支えられてきた政権だっていつどうなるのか、
これから皆さん、堅唾を呑んでごらんになって下さい。
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