第3997回
メイド・イン・ジャパンは青信号です
日本と中国の間を行き来していると
すぐにわかることですが、
日本は中国より30年も早く経済の近代化が進み、
国際貿易でメシを食うようになったにも拘らず、
外国製品の輸入が遅れています。
とりわけ農産物の輸入に対してきびしい規制があって、
ライチやトマトの輸入だって生産国別の差別があります。
理由は色々ありますが、
一口で言えば担当官庁の予算取り合いとかかわっています。
それに比べると、
唐の昔から胡椒でも胡瓜でも
その名の通りエビスの国から輸入された物だし、
南瓜に至ってはカンボジアから伝来した物です。
そうした気風は今でもそのまま受けつがれており、
ブドウでもマンゴーでもパイナップルでも、
どこの国からでも輸入されるし、
北京にいても成都にいても毎日の私たちの食膳に供されています。
千年も2千年も昔は食料品とか、
調味料などが隊商や戎克船によって運ばれたのでしょうが、
こうした伝統にそのまま受け継がれて、
今では食品だけでなく、
ファッション製品や自動車や家電製品にまで及んでいます。
そして、昨今、最も目立っているのは、
中国人の大半の人が
自分たちがつくっている物には目もくれないで、
先進国から送り込まれる物、
もしくはそれらの国から工場を移して来て中国で生産されている
外国企業の製品に先に手を出してしまうということです。
政府が大目に見た形で、
排日運動をやるのは、
ここのところずっと成都のイトーヨーカ堂と
伊勢丹の前からスタートするのが恒例になってしまいましたが、
どうしてそうなっているかというと、
人口千万をこえる成都市で成都の人たちが
一番たくさん集まって買物をするのが
この2軒の日本のスーパーとデパートだからです。
デモの間は何百人もの警官が出動していますが、
デモが終ると中国中で
一番人のたくさん集まる
ショッピングセンターになっているからです。
日本製の商品も日本的サービスも
中国人に最も歓迎されるようになったのです。
これから中国で何が起るかを青信号で指してくれている
と言っていいのではないでしょうか。 |