中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3981回
流通業が大移動するまたとないチャンス

日本でも代がわりの時代が来て、
有名店の店じまいが時代の傾向になっていますが、
中国では簡単にマネージャーからコックからウェーターまで
一せいに入れ替わってしまうので、
昨日まで一流店でとおっていたレストランが
一瞬にして只の大衆食堂に転落してしまいます。
昔の名前だけが残っていて、値段は同じなのに、
料理の内容からサービスまで一変してしまいますので、
レストラン業界は大恐慌におちいるのではないでしょうか。

これを大恐慌と見るか、またとないチャンスと見るかは
立場によって違うでしょうが、
私はかねてから有名コックが何軒も店をひらいたり、
チェーンのレストランが次々とできて行くことに
疑問を感じていましたから、
日本では頑なに1軒の店を守っている人に拍手を送り、
その復活をひそかに喜んでいます。

しかし、中国でそれが起るとなると、
有名な店ができるとそのコピーをするマネ屋だけでなく、
真似をされるオリジナルの店さえも
経営の危機に曝されますから、
とりあえずは1軒の店だけで
お客を呼んで来た店を探がすことになるし、
これを新しい店づくりのチャンスとしてとらえてもいます。
先ずレストランをつくる時はコックだけでなく、
マネージャーなどのトップの訓練からはじめます。
仮りにチェーン店を展開するとしても、
恐らく20軒どまりが限界ではないでしょうか。

そうした幹部がしっかりできておれば、
皿運びが次々と入れ替わっても、
上が指導して何とかやり方を維持することができます。
日本では不況のため
店そのものが商売のできない所まで追い込まれていますが、
中国は経済が大成長してお客のふえるさなかにおかれていますから、
仕事場を中国に移したい人にとっては
またとないチャンスと言っていいでしょう。

このことはレストラン業だけでなく、
中小型の流通業全体についても言えることです。
客商売は日本人のサービス精神の方が
遥かに中国人の上を行っているのですから。


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2011年2月2日(水)

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