第3513回
役人をいじめたら日本はもっと駄目になる
うまく票を集めて議員に当選する人と、
立派な大学を卒業してきびしい採用試験をパスして、
専門分野の実地対策を勉強した役人と、
どちらが専門知識を持っているかということになると、
誰だって役人の方に手をあげます。
でも予算を決める権利は政治家の方にありますから、
たまたまそのポジションをあたえられた政治家は
俄か勉強で専門知識を身につけなければならないのです。
そのためには、
その筋のエキスパートであるお役人に教えてもらう必要も起るし、
その意見をきく必要もあります。
そのためには先ず役人の信託を得る必要があるし、
はじめから目の敵にして
役所の中がうまく機能するわけがありません。
ですから、このままもうしばらくたてば
役所の中がうまく機能しなくなって、
予算の編成にも手間どるようになることは目に見えています。
しかも票を集めるために
予算のバラまき戦術に出ることは避けられないでしょうから、
円高になるのを放置したまま、
老人や子供にお金をバラまくことになります。
結果として日本国内に居たたまれなくなった企業は
海外に生産工場を移すようになり、
国内は一段と失業者をふやすことになります。
すると、解雇がこれ以上ふえることを防ぐために
生産工場が派遣社員を採用することを禁止する挙に出ますから、
国内での生産はコスト・ダウンどころか、
その逆の方向に動いて、
輸出は更に一段と困難になります。
すると、日本の産業界は明るさを取り戻すどころか、
もっとコスト・ダウンのできる発展途上国へ
工場が大量移動することになりますから、
気がついて見たら、
日本の国には国からタダで補助金をもらう
老人、子供、病人、失業者と
その人たちに支持される政治家だけが残ることになります。
それでも世界中には日本人の働く余地はいくらでもありますから
かまわないのですが、
多分、そこに至るまでに、
国中の人たちの気が変わるでしょう。
でも世の中にはそれまでジッとガマンできる人と
そうでない人がいるのです。
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