第3483回
年をとってからでは間に合いません
日本には失業問題だけでなく、老齢化の問題もあれば、
少子化の問題もあります。
テレビを覗いてもわかることですが、
老人問題を扱う番組がうんとふえました。
老人が病気になったり、生活に困ったりすることも、
もちろん、問題ですが、
老人がお金を瞞されてすっからかんとなる話の方が
よく話題になります。
それは老後に備えて、
老人の方がしっかりお金を貯め込んでいるという証拠でもあります。
社会全体が貧乏だった頃は、家族が一つの生活共同体であり、
年寄りの面倒は子供たちが見るのが常識でした。
年寄りのために国が予算を組む必要はありませんでした。
それが北欧を手本にして、福祉国家を目指すようになると、
税金は年々ふえるようになったし、
子供たちは年をとった親の面倒を見るよりも、
いくつになっても親から面倒を見てもらう人が多くなりました。
お金を貯めることやお金をふやすことについては、
年をとるにつれて熱心になるのです。
当然、年寄りの方が若い者よりはお金を持っています。
そうした年寄りを狙ってお金をふんだくる
詐欺や殺人がふえています。
社会的に活躍して名の知られた人が
しばらく姿を見せなくなったなあと思っていたら、
老人ホームで一人で他界したニュースにも
よく出会うようになりました。
早死しても問題ですが、
身内に皆死なれて自分一人だけが長々と生き伸びるのは
もっと問題だということになります。
そういう人から一番頼りにされるのは
お金だということになります。
そういう人から株はどうだ、不動産はどうだ、
いや、投資信託や外国の国債はどうだ、とよく質問を受けます。
全く何も知らない人が多いのに改めてびっくりさせられます。
ではそういう人はどうしたらいいのですかときかれると、
きかれた私の方も狼狽します。
もっと若いうちから色々と経験を積んだらどうですか、
と言ってももう間に合いません。
そんな人があまりにも多いと思いませんか。 |