第3479回
どうして役人を敵にまわすのですか
選挙の結果、自民党が潰滅的な敗北をして
民主党の天下になりました。
政党が交替すれば、少しはましな政治になると
期待している人が多いと思いますが、
日本の政治は経済を支配しているというよりも、
経済に食わせてもらっている面が強いので、
しばらくするとこんな筈じゃなかったと
失望の色をかくせなくなる人がふえるんじゃないかと思います。
若殿様が多いせいもありますが、
自分がお金を稼いだことのない人ばかりですから、
いまの日本経済にどんなことが起っているのか、
それを癒すのにはどうしたらいいのか、
正確に診断のできる人は政界にはあまり見当たらないようです。
あれも駄目、これも駄目と予算を削っても
削った予算を経済の梃子入れに使うより
別の無駄使いに振り替えるだけですから、
政府の借金がふえることに変わりはなく、
しばらくするとまた増税の声をきくようになります。
とりわけ役人を目の敵にするムードが政界を支配していますが、
役人を向うにまわして喧嘩をしても、混乱が大きくなるだけで
実益には結びつかないのではないでしょうか。
どうしてかというと、
政治家には予算を組む実力もなく、
各省庁の申し出に対して鉈を振うことしかできないからです。
従って役人を敵にまわすのではなくて、
役人を仲間に入れなければ、
役人を管理できないのではないでしょうか。
いまは何かというとすぐ役人をあしざまに言いますが、
日本の行政が他の国に比べてきちんとしているのは
役人のレベルが高いからです。
きちんと学歴もあるし、ふだんからよく勉強もしています。
悪いところがあるとすれば、退職後の生活を守るために、
公団公社を山のようにつくって
「天は自ら助くる者を助く」を地で行くために
予算の無駄使いをやっていることです。
でもそれだって政治家が鉈をふるわずに
見て見ぬふりをしてきたからです。
政策の改革をあげるためには
役人を敵にわますよりも味方につける方が
第一ではないでしょうか。
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