第3417回
中国では新築マンションの倒壊も
つい最近、上海で
新築のマンションが根元から折れて倒壊するという
大事故が起りました。
日本の新聞にも倒壊した写真が載っていましたので、
びっくりされた人も多いと思いますが、
地震の多い日本でも先ず起りそうにない
一大椿事と言ってよいでしょう。
もっとも日本でも設計の段階で鉄筋を減らす手抜きをして
新聞を賑わしたことがありますから、
人の国のことを嗤ってばかりもおられませんが、
上海でも、もちろん、政府をはじめとして
再発の防止に大童になっています。
まだ入居者がいなかったので、
大事に至らなかったのが不幸中の幸でしたが、
周囲に同じ不動産会社が建てた
高層マンションが何棟か完成していますから、
お金を出して購入した人だっていくら大丈夫ですと言われても、
恐ろしくなって入居もおろか、
金を返えせという騒動になることは目に見えています。
どういう終着になるかは予断を許しませんが、
マンションの建て売りをした建設会社が倒産することは
先ず間違いないでしょう。
ではこれで手抜き工事がなくなるかというと、
これが中国の建設業界の常識ですから、
マンションが将来、値上がりするかどうか、
中国の不動産は財産として
どう評価したらよいのかということになると、
日本人の不動産に対する常識を
かなり訂正する必要があるのではないでしょうか。
「ハイハイQさん」の欄で
「中国の不動産の将来をどう考えますか」とよくきかれますが、
私があまりはっきりした答えを出さないのは、
こうした手抜き工事を含めて、
中国のマンションの老朽化があまりにも激しいからです。
日本でも成長期にはマンションが財産として高く評価され、
投資の対象としてそれなりの地位を占めていましたが、
持主の老化と同じレベルで建物の老化もすすんで
使用の限界に近づいています。
中国マンションの老化は手抜き工事分だけスピードがつくので、
もしかしたら日本のマンションにすぐにも追いつくかも知れません。
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