中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3320回
私の元で働く人を募集しています

いま世界中が金融不安の津波に襲われて、
とうとう実体経済に次々と大きな被害が出はじめました。
新規の投資が中止されたり、延期されたりして
工場建設もストップするし、操業が縮小されると、
たちまち人があまるようになりますから、
派遣社員とか臨時傭いから解雇がはじまります。
当然のことですが、失業問題が大きな社会問題になっています。

これは経済全体の構造変化を意味しますから、
職を失った者に新しい就職先を見つけてあげたら
問題の解決になるという単純な話ではありません。
アメリカの時代が終ってアジアの時代がはじまろうとしているし、
ドルが世界の通貨の役割をはたす時代も終わりに近づいています。
物づくりにしても、不景気が一段落したら、
元に戻って同じことがくりかえされるわけではありません。
私が最近、くどいようにくりかえして言っていることは
グローバル化の時代になると、
日本人の働く場所だって大きく変わるし、
日本の特産物だって日本でつくられるとは限らなくなるのです。

そういう未来の変化を読んで、
私は工場生産だけでなく、新時代の農業から加工業、
さてはサービス業に至るまで、
日本人が最も得意とする仕事を世界中どこでも
作業に最も有利なところで展開することを提唱しています。
いまは中国が高度成長のさなかにありますから、
さしあたりは中国ということになって、
ピンチと変化のさなかで、
新しい仕事を中国の各地で展開しています。
それらの仕事に情熱を燃やす
日本人の若い人に呼びかけて働いてもらっていますが、
気がついたら既に20何人にもなってしまいました。
4、5年前からスタートした人たちの中には、
既に一国一城を預かって成長過程を邁進している人もありますが、
次々といくらでも新しい仕事が控えていますので、
何人でもやる気のある人が必要なのです。
でも誰でもいいというわけではありません。
海外で働く場合どれだけの心がけが必要かについては
明日のこの欄をごらんになって下さい。


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2009年4月12日(日)

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