第3218回
ではどうぞ新しい良いお年を
きょうは2008年の大晦日です。
いつもなら香港の家にいて、
わざわざ日本風の年越しそばをすすって
新しい年を迎えるところですが、
ことしは上海の新天地にある自宅で、
2008年にさよならを告げることになります。
2008年は北京オリンピックの開催された年で、
オリンピックを利用して
こんなにやかましく中国を責め立てる道具にしたことは
かつてなかったことだし、
次のロンドンでも、
またその次の開催国になるアジアのどこかの国でも
恐らく起り得ないことでしょう。
中国の経済的な成長は
「アジアの時代」のはじまるきっかけになるのでしょうが、
こんなことは1世紀に1回も起るかどうかという
世界の注目を浴びる大事件なのです。
この機会にチベット問題を取り上げて
中国にゆさぶりをかけることは、
他の国々の人々の溜飲を下げるのには役に立ったでしょうが、
問題の解決にならないことははじめからわかっています。
チベットの人口は3百万足らずですから、
私が北京の要人なら、
原住民のうち3万人を海外に留学させて世界を知ってもらい、
13億の人たちを自由にチベットに移民させて、
誰が何人なのかわからないようにしてしまいます。
アメリカだってそうやってできた国ですから、
チベット人が中国の国家主席になる道だって
ひらかれることになるのです。
でも時間がすぎてしまえば、オリンピックも終わってしまうし、
次の新しい問題に人々の関心は移ります。
いま世界中から最大の注目を浴びているのは
サブプライム・ローンに端を発した世界的な金融不安が
どんな展開になって私たちのふところにどう響いてくるか
ということです。
はっきり言えることはアメリカの時代が終って
いよいよアジアの時代がはじまるぞと言うことです。
次に幕をひらいたらアジアの時代だと言うことではありません。
そういう方向に向って人もお金も仕事も動きはじめるぞ
と言うことです。
ではどうぞ新しい良い年を迎えて下さい。 |