中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3194回
そろそろ下値を拾う時期が来ています

「この株安いつになったら終わるのですか」
と会う人ごとにきかれます。
私自身はもうそろそろ底値だろうと思っていますが、
悪いニュースは先送りするのが人間の癖ですから、
まだ何が起るかわかりません。
リーマン・ブラザーズが破産した時も、
「あとシティ・バンクとバンク・オブ・アメリカが残っていますね。
どちらもどうもなければの話ですが・・・」
と念を入れたら、
やっと最近になってシティ・バンクは潰さないというニュースが
トップ記事になりました。
儲け話に業界のトップがそっぽを向くわけがありませんから、
どうしたって納まるべきところが納まらなければ、
波は鎮まらないと考えるべきでしょう。

リーマン・ブラザーズは倒産するに任せて、
シティ・バンクを救済するのは、
多分、リーマン・ブラザーズの倒産がもたらした災害の大きさに
一驚したせいもあるでしょう。
もともとお金の貸し借りのプロセスで起ったことで、
企業や個人の財布には大きく響きますが、
大地震や景気後退と違って
実物経済に起ったことではありませんから、
失っただけの紙幣を刷り増せば、何とか解決のできる災難なのです。
もちろん、その解決を誤まれば、
日本のように大きな後遺症を長期にわたって残しますが、
時間がたてば自然に回復する性質の人災なのです。

このまま進めば、アメリカでは国全体の景気にまで影響を及ぼし、
不況から立ち直るのにかなりの歳月も要するでしょうが、
ヨーロッパやアジアの国々が
それに右へならえとすることにはならないでしょう。
とりわけ中国は輸出産業や市況産業や金融業は
一時的に減産減益に見舞われるでしょうが、
公共事業、国内消費がそれをカバーする役割をはたしますので、
もうしばらくすると、
たとえばA株はニューヨーク市場に連動しなくなります。
続いて香港株や日本株も別々の動きをするようになります。
そうした動きは既に少しずつその徴候を見せていますが、
年が明けたら一そう明確になるのではないでしょうか。
そろそろ下値を拾う時期が来ているということです。


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2008年12月7日(日)

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