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第3188回
36年前に予想した中台会議が現実に

最近の台湾における三大事件の2つ目は
ついこの11月の3日に、中国の両岸問題の最高責任者である
陳雲林氏が人民共和国と中華民国に分かれて以来
はじめて台湾を訪れたことです。
もう10年も前に、
中国を代表して元上海市長だった汪道涵さんと
台湾を代表して私の台北高校の先輩でもある辜振甫さんが
シンガポールで会議をしてビッグ・ニュースになりました。
その後、双方の主張に大きな隔たりがあって、
なかなか次のステップに踏み込めないまま
お二方ともあの世に行ってしまいました。

今回、長い間の懸案であった双方の交渉の再開が実現したのは、
中国も江沢民から胡錦濤へ、
また台湾も陳水扁から馬英九へと
トップが入れ替わったこともありますが、
アジアの情勢に大きな変化があって
問題を平和的に解決する必要を
お互いに痛感するようになったせいもあります。
李登輝さんの時代に比べると、
台湾の大半の有力企業が生産基地を既に大陸に移しているし、
経済的にはほぼ90%が統一されたようなものですが、
政治は逆に独立を主張する民進党が
台湾の与党になって対立が更に8年も続いてきました。

かつて独立を主張して危うく一命を失うような目にあった私は
36年前に国民政府と和解して
国連から脱退して国がひっくりかえるような大騒ぎになった
生まれ故郷の台湾に帰りましたが、
それは「二つの中国」を拒否して大陸反攻を主張した蒋介石が
国連から脱退する道を選んだ時、
これで台湾独立の可能性は完全に消えたと私が判断したからです。
人民共和国の政府が中国を代表する政府となり、
時間をかければだんだんと力をつけ、
逆に台湾は出る幕も独立のチャンスも失われてしまう。
あとは「世界の孤児」になった台湾に経済力をつけ、
大陸と交渉をする時の切札にする努力をする以外に
方法がありません。
そう考えて台湾に帰った私は
この日があることは36年前に既に予想していたのです。


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2008年12月1日(月)

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