第3170回
山東威高は長期保有の株の一つです

翌日、見学に行ったのが煙台から１時間くらいかかる
威海市にある山東威高、使い捨て医療品メーカーの本社工場です。
山東威高は中国のテルモと思ったら当らずとも遠からずでしょう。
私たちのような高齢者から見ると、
威海は第一次大戦の頃、ドイツの勢力下にあった海軍基地ですが、
こんなところに本社をおく山東威高は
想像をこえるスケールの大きな会社なのです。

昨年の５月、はじめて訪問した時は
テルモのような仕事をしている会社と
タカをくくって見学を申し込んだのですが、
副総裁の方に案内されて、そのスケールの大きさと
アメリカの医療大手
メドトロニックが資本参加しているのに一驚しました。
医療だから当り前かも知れませんが、
付加価値の高いのに先ず驚き、
国民所得の向上が約束された中国で
13億の人を相手の商売なら、
トップを走る成長産業であることは先ず間違いないと、
高値にもめげず10ドルあまりで仕入れました。
そうしたらすぐ倍に値上がりしましたが、
私は売ったり買ったりをしない性なので、
そのままにしておいたら
また元の黙阿弥になってしまいました。
それでも原価を割っていないので
10分の１まで値下がりしている他の優良株に
乗りかえようかと考えた途端に、
あッという間に５ドルまで叩き売られています。
これでは売るどころか、買う株の側に並べるべきでしょう。
もしかしたら、もっと長く株主をとつとめろという
天の啓示かも知れません。

山東威高は使い捨て医療器具だけでなく、
アメリカの先輩企業の指導もあって
心臓と骨の分野に新しく進出しています。
昨年訪問した時に比べて新規の工場が稼動しています。
景気不景気とはさして関係はなく、
所得の向上によってドンドン大きくなる業種で、
そうした医療産業のトップを走っていますから、
株価の下がっている時は
いつも仕込みのチャンスと言ってよいのではないでしょうか。
株をバクチと心得ている人にとっては
あまり用のない銘柄の一つだと思いますが。