中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3166回
千載一遇のチャンスではありませんか

今回の世界的な金融不安は
「百年に一ぺんあるかないかのパニックだ」
とグリーンスパンさんも言っていますが、
予想のできないことではありませんでした。
現に私でも10年も前に
そうしたパニックがアメリカで起ることを予言していますが、
それがいつ勃発するか、
はっきりした時日がわからなかっただけのことです。

石油を掘りあてるとか、
付加価値をつけて工業製品をつくり出すことが
富をもたらすことはごく自然なことだし、
誰にも納得のできることですが、
金で金を生み出すことは、
M&Aでいままで人が貯め込んだお金を
吐き出させることはできても、
既存の財産を風船玉のように吹いてふくらませようとすると
いつか必らず爆発してしまいます。
日本がドルを稼ぎすぎて、
ありあまったお金を自国と続いて
アメリカの不動産に投じて起ったのと同じことが必らず起るのです。

その反動が来て、
ありあまったお金が吹っとぶと、
今度は財産価値のあるものまで投げ売りの対象になりますから、
土地でも株でも不当に安い値段になるまで売り込まれます。
バブル崩壊後の日本で土地や株がうんと安値までおちこんで
なかなか立ち直れなかったのを見てもわかります。

今回はそれがドルの本家本元で起っているので、
アメリカの立ち直りは容易でないと思いますが、
日本がそういう目にあった時、
アメリカやその他の国々がさして痛痒を感じなかったように、
さして傷口の深くない国はすぐに立ち直れると私は見ています。
それも100年に1ぺんのパニックのとばっちりで
株価だけは1人前に大暴落したのですから、
さして傷口は深くないことがわかれば、
回復も意外に早いのではないでしょうか。

この1ヵ月あまり
私はオリンピック後の中国の
あちらこちらの企業を見てまわりましたが
「不況どこ吹く風」と好業績を続けている会社ばかりでした。
「100年に1回の世界的パニック」は
中国株に目をつけている投資家にとっては
「千載一遇のチャンス」ではないかと自信をつけて帰ってきました。


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2008年11月9日(日)

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