中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3126
いつも早すぎるんです、あわて者は

私は少し前に「ナンピンのチャンスはもうそろそろおしまい」
という一文をこのコラムで書きました。
実際にその文章の執筆をしたのは発表する凡そ2週間ほど前です。
毎月のように旅行に出かけるし、
1回の旅行は2週間から長い時は1ヵ月に及びますので、
どうしても出かける前に執筆することになります。
ですから、執筆する時は、
大体、発表する時にはこんな環境だな
と予想しながら問題を取り上げます。
実際にその時になって事態が変化したために
稿を改めたことは1回もありません。
株価にふれた場合、株価は毎日毎日変化するので、
直前に旅先から電話をかけて訂正してもらうことがたまにあります。
でも天下の大勢に大きな変化があることはほとんどありません。

どうしてそんな先のことまで考慮に入れて
問題を取りあげるかと言いますと、
2週間や3週間で
自分の考え方を訂正しなければならないような角度で
物を考えていたら、
とても時間の淘汰に耐えられないと思っているからです。
いつも3年5年たってから自分の書いた物を読みかえしてみます。
たとえばいまハイQで再録した(9/28で終了)
マネーゲーム敗れたり」は10年前に執筆したものですが、
アメリカでかつての日本で起ったような
土地の暴落による金融不安が必らず起り、
最終的にアメリカ政府の資金による
救済をするようになるだろうと書いています。
10年前にボイス誌を読んで下さった人の大半が
恐らく私が何を書いているのかわからなかったと思います。
私は時間がどんな変化をもたらし、
それがどんなことになるかに一人倍、神経質なんです。
昨年から来年の9月頃になったら、
何か起こりそうだと思っても、
それがリーマン・ブラザーズ証券の倒産からはじまる
とわかっていたわけではありません。
またこれで下げがおさまったと思っているわけでもありません。
でも「ナンピンの終わりのはじまり」だと予感しているのです。
本当にそうなるかどうかは皆さんが確認して下さい。


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2008年9月30日(火)

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