中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3013
先ずグループ・アニマルから卒業すること

私は「日本人が海外に出稼ぎに行く時代だ」と言いましたが、
では海外に日本人にどんなやれそうな仕事があるんですか
とききかえされます。
そのへんが実際に海外に出て
自分のやる仕事を探がしてすぐ実行に移している人と
口ばかりで本当は何もやる気のない人との違いです。

西洋人は日本人のことを
「エコノミック・アニマル」とバカにしましたが、
それは西洋人が日本人のことをよく見ていないからです。
日本人は本当は「グループ・アニマル」であって
集団でないと安心して行動できない人たちの集団です。
外国に行くのだって一人で行けと言われたら
心細くなって気が滅入ってしまいます。
ですから会社の命令で
「ニューヨークに行け」「ロンドンに行け」と言われると、
つい最近までは親兄弟知人集めて水杯で
「さよならパーティ」までひらいていました。
外国に駐在する場合でも、
行く前から「必らず帰ってくるからな」と
あと何日寝たら帰って来られるか指折りかぞえる人種なのです。
現地に骨を埋める人なぞ皆無に近く、
家族のもとに帰って来て暮らすのが当然だ
と考える人ばかりなのです。

さすがに最近はオートバイに乗って世界一周とか、
ヨットで太平洋横断とかいった若者もあるようになりましたが、
職を探がして海外に出かける人はまだ寥々たるものです。
一人で動くことを極端に心細がる習慣が
身についた人たちが多いのです。
先ずこうした習慣を改める必要があります。
そうは言っても何のツテもないところに
いきなりとび出して行っても、
日本人は後進国の人とは違いますから、
どんな仕事でもよいというわけには行きません。
とりあえずは手を引いてくれる人が必要だし、
現地の言葉も覚えなければいけないし、
自分に何がやれるかを悟るための時間と空間も必要です。
ですからそういうツテを探がすことからはじめるのが
海外事始めなのです。


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2008年6月9日(月)

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