第2995回
「休むも相場」とは手が休むだけです
株を買うと、株価が気になりますから、
つい毎日のように株価を見ます。
でも本当は毎日、見ない方がいいんです。
ある距離をおいて見ている方が株価の癖も、
また株式市場全体の動きもよく見えるものです。
殊に昨今のように株価が低迷して
ほとんど動きがなくなっている時は
じれったい気分になるし、自分はこれでいいのかと不安になります。
でも経済界のこんな動きはいまにはじまったことではありません。
「天井三日、底百日」と株の諺にもありますが、
目の醒めるような動きは3日も続けばいい方で、
あとは憂鬱な曇り空が来る日も来る日も続くのです。
そういう時は持株を入れかえようと思っても
入れかえる材料も見当りませんので、
将棋の駒を動かす手だって
しぜんにとまってしまいます。
手はとまってしまいますが、
頭もとまってしまうわけではありません。
それどころか、手はとまってしまっても、
頭の中は却って忙しくなります。
この次、どういう動きになるのか、
それを正確にとらえる勉強と判断が必要になるからです。
兜町ではそういう場面を「休むも相場」と言います。
実際に株を動かしていなくとも、
株を動かす以上に頭を動かさなければ、
次の展開について行けないのです。
たとえば、昨年天井をつけた中国株は、
上海は高値から半分に、香港中国株は40%落ちたまま、
梃子でも動かなくなってしまいました。
こんな状態がいつまで続くのか、いらいらいしている人は
たくさんいるに違いません。
こんな状態、いつまで続くんですかと私もよく人にきかれます。
私自身はあと半年くらいと自分に言いきかせています。
半年間何もしないでジッとしているのではなくて、
駒はほとんど動かせないけれど、頭は毎日、動いています。
株価が動き出したら、どの株が先頭を切るかと見定めて
その準備をすればいいのです。
手は休めても頭を休めてはいけません。
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