中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2979回
ナンピンの有力候補はふえる一方です

マダガスカルの帰りは出かける前から
上海で常茂生化のトップから会社の近況について
説明を受ける約束になっていました。
どうして常茂生化を訪問する必要があったかというと、
2008年になると計画していた工場の増設が一通り完成して、
売上高もほぼ倍増してかなりの増益が見込まれている筈なのに、
実際に起ったことは売上高はいくらか伸びたけれども、
収益は逆におちこんで、
株価もさっぱりという動きになってしまったからです。

そばから見ていて大体わかっていたことは、
原料のうちかなりの部分を占めている石油素材が大暴騰したこと、
また人民元の切上げと米ドルの値下がりによって
輸出商品の受け取り代金が目減りしたことと、
双方の挟み討ちにあって
かなりの苦戦を強いられていることでした。
その結果は前年比利益が48.56%減の3千4百万元に減少して
無配に転落した発表数字が示している通りです。

そのために最高5ドルまでつけた株価が転落に転落を続け、
私たちが同社の上海オフィスを訪問した2、3日後は
遂に1ドルを割ってしまいました。
問題はこれから業績はどちらに向うかということですが、
先ずいままで約2割高だった輸入原料が
為替変動によってほぼ同じ水準まで引き下がったので、
どちらにするか代替が可能になったこと、
もう一つは輸出先との話し合いがはじまり、
以後は為替の変動によって
輸出価格が調整できるところまで話がついたので、
本年下半期は最悪期を脱するだろうということでした。

面白いことにそういう説明を受けても、
回復にはまだ時間がかかるだろうと悲観して
株の投売りをする人が結構いるようです。
こんな時こそナンピンをかける時だと私は思いますが、
そういうせっかちな人たちのいるおかげで
儲けさせてもらうことになります。
しかしナンピンのできるチャンスはまだ当分続くでしょうから、
急ぐことはありません。
その代わり買いたい株が次々とふえて
お金の工面と銘柄選びにヤキモキする日が続くことになります。


←前回記事へ

2008年5月6日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ