中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2971回
不動産ブームもまだ3合目にかかったところ

次に広州日報にきかれたのは不動産の動向です。
政府が不動産の暴騰を怖れて、
不動産会社への融資やローンの制限にかかったりしたので、
広州でも深圳でも不動産の値下がりがはじまり、
売る人も買う人もかなり動揺しています。
日本でもバブルがはじけると、不動産が大暴落しましたが、
中国でも同じことが起るのでしょうか、ということです。

それに対する私の答えは、
不動産がバブルであるかどうかは
不動産の需給が決めるものではありません。
産業界がこれからもまだ成長し続けるのか、
それともこのへんで頭打ちになるのか、
によって答えが変わります。
もしこのへんで中国経済が行きどまりになるのなら、
不動産を買えるお金がなくなりますから、
不動産は上昇するのをやめるでしょう。
でも中国はまだ第1期の成長を終わったばかりで、
人手不足による賃上げ、
即ち庶民の所得の上昇はやっとはじまったばかりです。
そうした新しくつくり出される富が
不動産屋や自動車に向うとすれば、
不動産も自動車も、世界的な不況と国内的な規制が峠をこえれば、
再び活気を取り戻します。

中国の場合は、不動産も株に負けないくらい上げ下げが激しく、
投機の対象にされるので、
高値をつかまされる心配はありますが、
下げた時、つまり皆が顔をそむけた時に、
安値を拾えば必らず報いられる過程にある
と断言していいのではないでしょうか。
とりわけ自動車は売れ残ると値下がりしますが、
不動産業者の在庫は次の上昇期に入ると値上がりします。
ですから倒産する心配のない一流不動産会社の株が
必らず高値から半額まで売り叩かれる時がありますから、
不動産を持つと管理が煩わしいと考える人は、
不動産株に同じ働きを期待することができます。

不動産を投機の対象にするのではなく、
不動産にも働いてもらって収入のある資産の一つと思えば、
相場に左右されることなく、持ち続けることができます。


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2008年4月28日(月)

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