中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2933回
お金にも働いてもらう工夫が必要です

過ぎたことをとやかく言っても仕方がありません。
バブルがはじけて僅か15、6年の間に、
低金利政策を続けた結果が
日本人が戦後稼ぎ出した資産のかなりの部分を
アメリカの機関投資家たちの手に
委ねることになってしまいました。
せっせと汗水垂らして稼ぐことと、
金で金を稼ぐカラクリの怖ろしさを、
改めて比較対照させてもらっているところです。

日本人の物づくりのレベルを世界中から評価される時代は
既に峠をこえてしまったし、
経済成長のスピードもおちてしまいました。
でも一ぺん、手に入れたハイレベルの生活を維持する手段は
ちゃんと維持できているし、
これまで積みあげてきた資産はまだそのまま手元に残っています。
ですから、過去のことでくよくよしたり、憤慨したりするよりも、
これからどういう対策をとったらいいかが肝心だと思います。
たとえば、今後も日本の低金利政策が続くなら、
銀行からお金を借りて
新しい事業に投資することはできないにしても、
自分のお金を銀行に預けっぱなしをするのはやめて、
自分で運用する方法に切り替えることはできます。
また日本の株式市場や不動産にさして見込みがないと思えば、
海外に投資対象を変えることもできます。
一人一人の持っているお金は大きなものではありませんが、
スケールの大きな投資は
限られた人や組織にしかできないとしても、
中国株とかベトナム株に投資して
お金をふやすくらいのことはできます。

それだけでは満足できず、
遂に自分たちの活躍する舞台を日本国内からアジア全体に、
更にはグローバルに展開することも可能なところまで来ています。
そういうことができるかどうかということよりも、
そういうことのできる人が日本人の中にどれだけいるかによって
日本の将来の国際的地位が決まるのです。
お金が先に出て行くか、
それとも人間の方が先に出て行くかはその人次第です。
大切なことは過去にしがみついたまま
いつまでも吼えたり嘆いたりしないことです。


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2008年3月21日(金)

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