中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2881回
公共投資株の中の出遅れ株

上海棟華というアスファルトの販売会社が増資の申請をして、
1年も許可を得られなかったために、計画が延び延びになり、
思うような業績あげられなかったことについては
前にも述べたことがあります。

どうして増資が許可にならなかったかというと、
香港に本社のある会社なら
香港証券取引所の許可さえもらえば
すぐに増資ができるのですが、
本社が中国大陸にある場合は、
その前に北京の許可を必要とするのです。
それがなかなか許可にならなかったのは、
香港で香港ドルで増資をすることは、
そのお金を大陸に持ち込むということになります。
ただでさえ外貨の急増で頭を痛めている中国政府が
オイソレと承知するわけがありません。
先へ先へと延ばされているうちに、
資金のやりくりができなくなると、
予定した計画も先延ばしになってしまいます。
私に比べると、向うの方がずっと情報不足で、
やっと増資が許可になって、
お金がちゃんと上海の銀行の口座に入っても、
自由に使ってよろしいという許可をもらうまでに
また時間がかかったときいています。

一般の株主にはそんな内部事情まではわかりませんから、
疑心暗鬼で、株の人気までおちてしまい、
株価も増資価格に近いところに貼りついています。
これから動き出したとしても
ちょっと時間がかかることになります。
しかし、もし2008年から
本格的に公共投資の時代がはじまるとすれば、
この会社のおかれた環境はかなり違ってきます。
一ぺん冷えた釜を元の温度まで戻すのに、
それなりの費用と時間がかかるでしょうが、
石油が値上がりしても、
アスファルトの代用をする材料は見つからないし、
もともと石油を精製したカスですから、
値上がり分は何とか吸収される立場におかれているようです。
もしそうだとしたら、
2年遅れた分だけ、株価も足踏みしていますから、
もう一ぺん再出発することも考えられるのではないでしょうか。
出遅れ株の一つに私は数えています。


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2008年1月29日(火)

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