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第2877回
公共投資の最優先項目は環境保全です

公共投資の中で私たちの頭にすぐ浮んでくるのは、
道路とか港湾とか飛行場など公共施設の整備です。
ですから景気を浮揚するために政府が最大のテーマにあげるのは、
当然、これらの分野の仕事と思っても間違いではありません。

しかし、私がこれらの公共事業よりも、
もっと優先的に取り上げる必要を感じているのは
環境保全の事業です。
どうしてかというと、
工業化の進展によって起った汚水や廃棄物による汚染が
もうこれ以上、
放置しておけないところまで来ているからです。
この10年に、人件費が安くて勤勉なこともあって、
世界中の企業が中国進出を試み、
中国自体でも見様見眞似で工業化が進み、
中国は自他共に認める
「世界の工場」地帯になりました。
世界中が使う物を
中国が一手に引き受けて生産するようになったのです。
ということは工場生産に伴って発生する公害を
中国が一手に引き受けることになったということでもあります。

その結果、
中国はいまや世界一の公害国になっています。
これらの問題を解決するためには莫大な投資が必要ですが、
それはたまたま新しい雇用の産出と
公共投資の対象にもぴったりなので、
恐らく今後3、5年にわたって
最も注目を浴びる成長産業になるのではないでしょうか。
したがって汚水、廃棄物処理、
リサイクル産業に目をつけて下さい。

私がそう言うと、
すぐにも上海や天津で汚水処理をしている
環保銘柄を連想する人がありますが、
いま大都市にある汚水処理装置は
それがないと大都市が汚水まみれになるので、
政府がお金を出して施設をつくり、
役人が横すべりして経営しているきわめて低能率の環保事業です。
1年たっても、
成長率が10パーセントにも達しない
将来性のない事業体ですからお間違いのないように。

つまり成長産業であるためには
(1)特定地方政府のお抱えでないこと。
(2)一地区から出発したとしても、
全国的スケールで事業の展開ができる会社であること
が必要なのです。


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2008年1月25日(金)

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