第2876回
オリンピックのあとは公共投資ブーム
ことしの八月は北京オリンピックが開催されるので、
北京中が工事の最後に向ってごったがえしになっているところです。
いままでに考えられなかったような盛大な式典になるでしょうし、
中国にとってエポック・メーキングな行事として
長く人々の記憶に残るだろうことも間違いないと思います。
ではそのあとはどうなるんだということになると、
意見は大きく分かれます。
中国嫌いの人たちは、
ここがピークで、
中国は経済成長が停まるだけでなく、
さまざまのトラブルに捲き込まれて
政府の存在さえ大きく揺さぶられるんじゃないかと見ます。
もちろん、その反対の見方をする人もいます。
しかし、
そういう人たちでも、
サブプライム・ローンをきっかけに起る
世界的な不況の影響を受けて、
そう手離しの楽観はできないぞと思っている人は少くありません。
恐らく中国の政府筋にも
そういう見方の人が多いと見てよいでしょう。
そうした見方が多いので、
オリンピック後の落ち込みを未然に防ぐために、
次に政府が打つ手は、
過剰流動性による資産インフレの対策だけでなくて、
景気の落ち込みにブレーキをかける公共投資に力を入れることです。
石油や石炭やガスや電力や
水道の料金値上げにストップをかける一方で、
インフラに政府の資金を積極的に注ぎ込むことです。
それはオリンピックのために使ったお金よりも、
もっとスケールの大きなもので、
何年にもわたって続くものでなければなりません。
どこを見てそれがわかるかというと、
私の関係事業で
日立建機のパワーショベルを扱っている会社があります。
2007年は前年比50パーセントの伸びを示していますが、
2008年度は更に50パーセント増の計画なのに、
日立建機本社の供給が間に合わず、
300台もの供給不足が起っています。
1台1000万円として
売上げに30億円も響きますから、
儲け損いになってしまうことが、
スタート前からわかってしまっているのです。
小さな会社としては指を喰わえて見ているよりほかありませんが。
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