中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2841回
中国の不動産は早く手に入れた人の勝ち

昆明に行って私の常宿にしている翠湖賓館に泊っていたら、
湖の周辺の不動産がこの1年の間に
倍になっていたことについては前に述べた通りです。
次いで成都に出たら、
私たちが政府から頼まれて計画中の工業団地の払下げ価格が
これも半年前に比べて倍の価格になっていました。
更に北京に出ると年のはじめに、
私が不動産価格の暴騰を予想して、
関連会社の1社に自社ビルを買うように指示して、
必要面積の倍のスペースを手に入れておいたら、
たった3ヶ月で4割ほど値上がりしました。
私の腹積りでは倍買って半分を自社用に、
残り半分を賃貸しにまわせば、
1年以内に必らず倍になる。
もし会社が順調なら、
そのうちに全面積を使うようになるだろうし、
業績が思うように行かなかったとしても
半分売れば残りが只になる、
どっちにしても心配はない筈だと言ったのです。

そうしたら、
北京で買った新築の高層ビルの1階分、
1平米2万元で買って
まだ引渡しもすんでいないのに、
2万8千元に値上がりしてしまったのです。
半分、賃貸しに出す積りが、
本業の拡大に次ぐ拡大で全面積を使用せざるを得なくなり、
家賃にはならないけれど、
帳簿上の含み資産は一段と強化されたと報告を受けました。

個人が家を買っても同じことが起ります。
私の場合は10年も前にそういうことを見越して
不動産投資をやり、
逆に財産がへっこんでずいぶん長い間忍耐を強いられましたので、
決していい思いをしているわけではありませんが、
やっと予定のコースに入ってきたところです。
中国の経済成長によって少しの貯金ができ、
マイホームが手に入った人たちにとって、
不動産の値上がりはとても嬉しいものなのです。
もし経済成長がストップして不動産や株が大暴落したら、
それこそ目もあてられないことになります。
しかし、人民元の切り上げが起っても
経済はつるべおとしに
おちて行く方向に向っているのではないのです。
バブルの崩壊に到達するまでに
まだまだ大きな値上がりのチャンスが控えていると私は見ています。


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2007年12月20日(木)

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