中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2807回
日本は大丈夫だと思わない方が

最近の日本の政界は政治資金のゴタゴタに端を発して、
参院選挙で民主党が過半数を制し、
その反対でインド洋における給油が中断して、
日本の国際信用はどうなるんだと危ぶまれています。
もともと日本人は国際感覚が鈍く、
そういう国内のゴタゴタが
どういう結果をもたらすかに無神経なので、
それはそれで何とかなるのでしょうが、
私は日本の政界の混乱よりも政治家たちに
資金を提供している経済界がどうなるのか、
経済界の人たちはどうする積りなのだろうか
と固唾を飲んで見ています。

いま世界に起っている新しい関心は先ず
サブプライム・ローンの破産からはじまった
アメリカの景気後退とドル安であり、
もう一つは中国の貿易黒字にどういう変化が起って
人民元の切り上げがどのへんまで進むか、です。
アメリカで株安になれば、円が買われて円高になります。
アメリカの株安は景気の後退を見越した動きですから、
日本の対米輸出は減退するでしょう。
景気が後退するのに資源を中心に物価は上昇する方向ですから、
国内の消費は更に減退して、流通業が大きな影響を受けます。
中国のデパートもスーパーも朝から人がいっぱいなのに、
東京でも大阪でも一番混雑する時間帯でもガラガラ空きです。
こんなことが2、3年も続いたら、
世界中から押し寄せたブランド商品の店も
1軒また1軒と歯が抜けるように
姿を消すようになるのではないでしょうか。

そこへ追討ちをかけるように消費税が5%から10%になれば、
消費は一そう冷え込みます。
それでも日本の産業界は
政治家に献金を続けるだけの余裕があるのでしょうか。
そういうところを狙って
アメリカの金融資本が株集めを仕掛けてきます。
東京証券取引所の1日の取引額の中で
外人買いは6割に達していると新聞は報じています。
愛想をつかした日本の投資家たちが株を売れば、
アメリカの証券会社や投資会社がそれをごっそり拾うのです。


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2007年11月16日(金)

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