第2791回
Qコーヒーもこれからいよいよ本番です
もう一つ、北京で私が手がけた仕事に
「パンとケーキの店」があります。
北京に外人向けの高級マンションを建てた時、
実際に北京に住んで見ると、
毎朝、食べるパンのまずさに閉口しました。
台湾の政府と喧嘩して香港に亡命し、
24年ぶりに東京から台北に戻った時もそうでしたが、
その時は知人に「パンとケーキの店」をつくってもらって
何とか急場をしのぎました。
北京ではどうせ将来は大きなマーケットになるところだし、
自分らで「パンとケーキの店」をつくれば
大きな事業にもなるだろうと考えて、
邱友会のメンバーで
パンとケーキ屋をやっている人に呼びかけたところ、
すぐに応じてくれて、
三全公寓の中にQコーヒーという
小さなコーヒーショップをひらきました。
ちょうど雲南の山奥で、ブルー・マウンテンのコーヒーに匹敵する
同じティピカという品種のコーヒーの栽培をはじめましたので、
コーヒーとつけあわせでパンとケーキもつくりはじめたのです。
何しろ高級マンションの1階の
人通りのないところからはじめたので、
はたして客が来てくれるか心配でしたが、
他に類例のない美味しいパンとケーキですから、
口コミでたちまち在留邦人の間に知れわたり、
いまでは北京でも有名な店になり、
北京内の支店だけでもイトーヨーカ堂の中をはじめ、
6軒になりました。
とうとう敷地が1000坪もある大きな近代的設備のある工場が完成し、
いまでは有名コーヒーのチェーン店をはじめ、
30社あまりの会社のそれぞれの出店に
納品をするまでになっています。
決して大きな仕事ではありませんが、
小さい仕事でもバカにせず、
小資本からスタートして大きくするのが私の趣味の一つです。
さてさて、そうこうしているうちに
この「もしもしQさん」も
26巻目が1冊分の分量に達してしまいました。
明日からはまた主題を変えて、この続きをやりますので、
どうぞ続けてご愛読をお願いします。
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