第2765回
製薬株で一山あてるためには
維奥生物の成都工場は
成都の開発中の工業団地の中にありました。
若い総経理さんが出てきて考察団の一行を案内してくれました。
のちにここを訪れた日本の投資コンサルタントの人が
「アメリカから輸入した錠剤をただ瓶詰めしている工場ですよ」
と喝破して
事情を知らないシロウト投資家たちをびっくりさせましたが、
バイタル・バイオがアメリカやドイツから製品を輸入して
自社ブランドで販売していることは
会社案内の中にもちゃんと書いてあります。
自社生産と只の瓶詰め屋とどこが違うかというと、
コピーをするか、
それともオリジナルにプレミアムをつけて売るか、
の違いであって、
薬品は販売力が最大の勝負どころになっていることは
前にも述べた通りです。
もちろん、将来は違います。
もともと漢方には何千年もの歴史がありますから、
バイオの時代になれば、
漢方をとり入れた画期的な新薬が誕生することも
あり得ることです。
しかし、さしあたりは
薬を売る許可をもらうだけでも容易でない中国で、
販売力があるかどうかが業績を大きく左右します。
私が目をつけた時、0.25ドルだった同社の株は
私たちが工場訪問をした時、
2、3日ですぐに倍になってしまいました。
それが今後どんな動きになるかは、
会社の業績によって大きく左右されます。
2007年の上半期は既に発表されて
前年比売上高は14%下落していますが、
62%の増益になっています。
年末の決算を見なければ、断定はできませんが、
もし年間を通じて増益が続けば、
過去の高値を抜くのも夢ではありません。
0.25ドルで仕入れた人にとっては4倍、
0.40ドルで仕入れた人にとっては2.5倍
ということもあり得ますから
低位株に興味を持っている人にとっては
心魅かれる銘柄の一つと見ています。
似たようなことが
癌の検査に使われるプロテイン・チップの生産をしている
銘源医療についても言えます。
同社の上半期は19%の増益、
0.01ドルの配当と発表されていますが、
どちらも短期勝負というわけには行きません。
次に年明けの2007年度決算を見て、
それでも勝負は決まったわけではありません。
それくらいの息の長さがないと
思うような成果をあげることはできません。
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