中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2753回
売上げ3倍、利益5倍の日が来るまで

常茂生化の株の続きです。
常茂の業績がなぜ株価に追いついていないかと言いますと、
2006年は売上げが多少ふえたにも拘らず、
利益は逆にこれも多少、
落ち込んだし、
続く本年の上半期も利益が
前年比54.75%も落ち込んでいるからです。
それはどうしてかというと、
味の素に納める甘味料の工場が完成したにも拘らず、
味の素の認定試験の結果発表が半年も遅れ、
工場がフル稼働しないのに
設備の減価償却がはじまってしまったからです。
ことしの7月半ばに
私たちの考察団としては2回目の会社訪問をやりましたが、
やっと味の素から通知をもらったところだということでした。
はたして遅れていた分を年末までに取り返せるかどうかは
2007年度の決算を見ないとわかりませんが、
にも拘らず株価が先行するようになったのにはわけがあります。

常茂生化の第2工場は製品の売り先がきまってから
敷地内にそれぞれの工場を建て、
既に何棟かの工場が稼動しはじめています。
これらの工場がフルに稼動すると、
いままで3億元だった年間売上げが8億元になる予定です。
その時期を2008年末と予定していたのが1年遅れるとしても、
実際には製品の値上がりもありますから、
売上げは9億元か10億元くらいになります。
つまり2、3年で売上げが3倍になるのです。
そんな成長をする企業は
中国にもそんなにたくさんはありませんから、
投資家たちの期待が一極集中してしまったのです。

ですから3ドルの株価は不思議ではありませんが、
どこでどういう悪戯があったのか、
売買の空間を利用して1日でいきなり80%も値がとぶ
という離れ業が現実に起って、
とうとう株価が4ドル台に定着してしまいました。
このまま4ドル台に落ち着くのかどうかは何とも言えませんが、
「売上げ3億、利益5倍」という夢が実現すれば、
別に不思議でも何でもない株価ということになります。
安い時に仕入れた人たちは大喜びですが、
いまから投資するということになるとどうでしょうか。
私は早くに仕入れましたので、
このまま持ち続ける積りですが。


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2007年9月23日(日)

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