第2750回
ゴミの山は宝の山です
私が中国株の中の成長株を探がす場合、
先ず第一に考えることは、
中国が豊かになっていく過程で
どこにお金が支払われるようになるかということです。
国が支払うお金もあれば、
個人のふところから支払われるものもあれば、
企業が支払うお金もあります。
企業が支払うお金は
お金の儲かることでないと支払いませんから
どうしても後回わしになります。
たとえば汚水とか廃棄物のようなゴミの処理です。
工業が発展すると、環境汚染はきびしい社会問題になります。
政府がきびしい取締をしない限り、
工場は知らぬ顔を決めこんで放置します。
汚水、廃棄物の処理が産業として成り立つのは
汚染がかなり進行して政府がガマンの限界をこえて
きびしい罰則で臨むようになってからです。
一昨年、そろそろその限界に達したと見て、
私は汚水処理の新しい技術を私のところへ持ち込んできた
日本企業の提携先を探がすために
廃棄物処理の会社をいくつか物色しました。
先ず第一に役人の天下りした会社でないこと、
次に年に30%から50%くらいの成長をしていること、
そして、最後に仕事場が特定の地域だけでなく、
全国的に展開されていること――
という三つを将来発展する環境産業会社の条件として選びました。
その時、私の頭の中にとびこんできたのが、
深圳に本社をおく東江環保でした。
私は深圳までとんで行きました。
その頃の東江環保の株価は80セントくらいでしたが、
私を案内してくれた深圳の証券会社の総経理さんは
私が何のためにわざわざ深圳のゴミ屋さんまで訪ねてきたのか、
理解できずに首をかしげていました。
それがいまはどうでしょう。
株価が5ドル台にあがっただけでなく、
さして売買がなくとも安定した相場を維持しています。
買った株のごく一部を売って元金を取りかえし、
あとはお蔵入りをさせても
信じられないくらいのストックになっています。
東江の董事長さんは「ゴミの山が宝の山に見える」そうですが、
ゴミの山ならふえることはあっても
減る心配はなさそうです。
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