中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2749回
成長株ははじまってやっと3年目です

香港にも小型成長株に注目する人が少くないと見えて、
つい最近、星島日報から
「創業板揀股大全」2007−2008股仔尋宝秘笈(定価58香港元)
という創業板情報が出版されました。
ちょうど香港にいた時に新聞に大きな広告が出ていたので、
2冊ばかり東京に送ってもらいました。

中国語版なので、
中国語のわからない人には読めないかも知れませんが、
数字ならわかりますから、大体の理解はできます。
でも編集がしっかりしていませんし、
会社の紹介にしても
あたらずさわらずの解説しかありませんから、
新しい発見はあまり期待できません。
日本で「中国株四半期速報」を出している亜州IRの社長さんが
なるべく創業板を充実させたいと言っておりましたが
おそらくそちらの方がお役に立つのではないでしょうか。

それにしても、
香港の創業板に上場されている企業のお粗末なこと。
業績の伸びがあてにならないだけでなく、
配当の欄がほとんどブランクになっています。
たまに数字がちゃんとしているなと思って
会社名を改めて見ると、
ほとんどが既に私が取り上げて話題にした企業が多く、
いまも創業板にランクされているのが
不自然に見えてしまいます。
そういう優良銘柄でさえ
過去にさかのぼって業績を洗ってみると、
まともに配当をするようになってから
まだ3年たったか、たたないかの企業が多く、
香港上場の中国株で成長企業が姿を現わしてから
まだそんなに時間がたっていないことがわかります。

私がそうした成長株に注目するようになってから
まだ2年しかたっていませんが、
私の場合は数字を見て発見したわけではなくて、
産業界の流れを見てどこに成長する分野があるかを先ず確かめ、
そういう位置におかれている企業はどこか、
探がした上で発見したものです。
当然、当たりはずれもあるし、成長の早い遅いもあります。
早いのに対しては先見の明を誇れますが、
遅いのは私もしびれをきらすことがあります。
でも何事もガマンガマンと自分に言いきかせて
昼寝を決めこんで時間がたつのを待っているのです。


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2007年9月19日(水)

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