中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2712回
こんな環境で日本はやって行けますか

中国は沿海地域における人件費の高騰によって、
コスト・ダウンのために
工場の大移転をせざるを得ないところまで
追い込まれていますが、
お金と技術を持って中国に乗り込む日本企業の
肝心かなめの日本のお膝元はどうなって行くのでしょうか。

日本企業の海外進出がはじまった頃から
真先に工場閉鎖の目にあったのは日本の地方都市で、
働くところがなくなると収入がなくなりますから、
町全体が見る見るさびれてしまいます。
駅前のデパートやスーパーや銀行さえ
シャッターをおろしてしまいますから、
商店街は歯の抜けたように1軒また1軒と店じまいをして、
どこにも往時の面影がありません。
苛酷な言い方ですが、
「地方の時代はもうとっくに終わってしまった」のです。

では大都会なら大丈夫かというと、
それもだんだん怪しくなってきました。
地方の小都市が駄目でも、
地方の県庁所在地なら県内で一番人の集まるところですから、
まだいくらかメシのタネは残っています。
でもそれは他人の商売の手伝いていどの仕事で、
新しい仕事はありません。
年寄りがふえる方向にあるので、
年寄りの面倒を見る仕事はふえていますが、
それは年寄りが永年かけて貯めたお金を
食い潰すお手伝いをしているだけのことで
新しい富をふやす仕事ではありません。

新しい富をつくり出す仕事は、
大都会周辺に僅かに残っています。
でも、それすら海外からの輸入品、
もしくは日本人が海外に進出して
もっと安い値段で供給するようになった
海外製品との競争に曝されて四苦八苦しています。
デパートやスーパーで売られている日用品や衣料品でも、
7、8割がメイド・イン・チャイナで
占められるようになってしまいました。
一体、日本はどうなるのでしょうか。
日本人はちゃんと生きて行けるのでしょうか。
ちゃんと自分にもよくきいて、
どうやったらちゃんと生きて行けるのか、
自分で答えを出す必要があると思いませんか。


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2007年8月13日(月)

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