第2658回
観光産業がお金にならないわけ
旅行が年と共に盛んになることは誰でも知っています。
ならば観光事業関係の株を買えばいいことになりますが、
観光関係と言えば、
航空会社、ホテル、旅行業者
ということになります。
ところが、
どこも業績はパッとせず、
日本航空が大赤字になっているだけでなく、
香港や中国で上場されている航空会社の株も
ほとんどが低空飛行をしています。
どの飛行機も連日満員なら文句はありませんが、
お客がいなくとも定期便は飛ばさないわけには行きません。
空席のまま飛んだ分だけ無駄になってしまいます。
ガソリン代が値上がりしても駄目、
従業員にストをされても駄目、
サーズのような病気が流行しても駄目、
事故にあって飛行機が墜落したらもっと駄目、
駄目駄目づくしというのが航空産業なのです。
ホテルも似たり寄ったりです。
先ずちゃんとしたホテルを建てるのに
かなりまとまった資金がかかります。
開業してもお客が集まるまでにかなりの時日と努力を要します。
飛行機の空席と同じく
人が泊らないと収入がパアになってしまいます。
お客に満足してもらえるようなサービスの訓練をするのは
容易なことではありません。
それでもたゆまずに営業努力をしなければなりませんが、
四苦八苦してやっと採算線上まで漕ぎつけたら、
すぐ隣りにこちらより設備の整った立派なホテルが現われます
というのがホテル商売の実情です。
そういうところにお客を連れて行く観光ビジネスも
もらうマージンが少い上にリピートが少いので
稼ぎがふえ続ける保障はどこにもありません。
陽の当る商売でありながら、
成長産業の仲間に入らないのが観光産業なのです。
観光シーズンのお客の集まり方と、
そのふえ方を見て、
ホテルや航空会社の株を買う人をよく見かけますが、
私に言わせると計算のよくできていない人
と言ってよいでしょう。
私がトラベル・スカイを唯一の例外として選んだのは
飛行機の予約はふえる一方だし、
予約がふえれば飛行機がとんでもとばなくとも、
予約をコンピューターに入れるとお金をもらえる商売だからです。
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