第2654回
増収増益銘柄に視点を集中して下さい
私は株の名手でもありませんし、
株式評論家の肩書きを持っている者でもありません。
ただ世の中にどんな変化が起るかに興味を持ち、
絶えずそのことに気をつけているので、
人より少し早くそのことに気づく立場におかれています。
株式投資の場合は
「人より少し早く気がつく」ということが大切ですから、
「株の神様」とか、「神様、仏様、邱永漢様」とか、
冗談半分におだてられたりしていますが、
プロの人たちが次々とジャーナリズムから姿を消しているのに、
私が半世紀たってもまだ生き残っているのは、
先ず私が
「人様のお金を利用して
自分のお金儲けをしようとしなかったこと」と、
「自分の出所進退を心得ていて、
一つことにしがみつかなかった」
からではないかと自分で思っています。
世の中にはさまざまの現象があり、次々と変化が起りますが、
そうした変化を貫く原則のようなものがあります。
その原則をうまくキャッチできれば、
それにうまく対応できるわけですから、
財産や地位まで失うような目にはあいません。
私の著書に法則とか原則とか言ったタイトルの本が多いのは、
私が「変化を支配するルール」を重視しているからです。
株についても同じ角度から次々と起る変化を見ています。
たとえば、
「私たちの常識を越えるような変化が次々と起りますよ」
と言っても、
「これでこのまま株式市場が沈没して
消えてなくなってしまうぞ」
と言っているわけではありません。
尻餅つくような目にあってもまだそのあとがあるのですから、
そうした過程で一貫して人々が重視することは何かというと、
それはどんな環境におかれても、
増収増益を続ける企業から目を離す人はいません。
会社の大きい小さいはほとんど関係ありません。
大衆の資金や外国の基金が目をつけやすいかどうか
ということもあまり重要ではありません。
いまのような乱高下をくりかえす時は、
そういう視点で探がして合格すれば、
どんな荒波の中も乗りこえて行くことができるのです。
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