中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2628回
もっと工場見学に行きましょう

最近、すっかり味を占めてしまったことがあります。
それは団体でどこかに行った時、
その近くにこちらがかねてから関心のある企業があると、
かなり無理をしてでも
なるべく会社見学に行くようになったことです。
個人でも、もちろん、それは可能ですが、
中国人や中国の企業は団体の要求に弱いのです。
私が考察団を連れて会社を訪問すると、
必らずのように「熱烈歓迎邱永漢投資考察団」と
赤地に白抜きの横幕か垂れ幕がかかっています。
会社によってはトップをはじめ、
工場長までが玄関に立って盛大に迎えてくれます。

実際に企業訪問をすると、
資料で見ていたり、株価の動きから想像しているのと
かなりの違いがあります。
思いもかけないような将来性のある会社にぶっつかることも
再三ならずあります。
その帰りのバスの中で証券会社に注文を出すことになりますが、
同行した人の中には
私より手まわしのいい人も結構たくさんおりますから、
結果的に高値をつかまされたりします。
そんな時は自分だけで来た方がよかったなあと思う半面、
折角、一緒に来たのだから、
同行した人にもいい思いをしてもらう方がいいなあ
とも思いなおします。
私はいいニュースは
自分の胸の中にだけしまっておくことのできない性なんです。

ですから一緒に行った人には誰にでも
思っている本当のことを洗いざらいしゃべってしまいます。
「本当にセンセイは何ひとつかくさずに人に教える人なんですね。
とてもびっくりしています」
と同行した人からよく言われます。
「いいんですよ。喋ってしまったら、また次のことを考えますから。
競馬なら同じ馬券をたくさんの人が買えば
分け前がそれだけ減りますが、
株は賛成者がふえればふえるほど株価も高くなるんですから」
と私は合槌を打ちますが、
最近はもっと情報仕入れの窓口をひろげないと
片手落ちになると思うようになりました。
工場見学をすればするほど
これまでチャンスを逃してきたなあと
痛感するようになったからです。


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2007年5月21日(月)

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