第2627回
成都伊勢丹のオープニングに参加して
実は昨日は成都伊勢丹のオープニングの日でした。
伊勢丹にとっては中国で5軒目のお店ですが、
私にとってはイトーヨーカ堂についで
2軒目の大型店の大家です。
イトーヨーカ堂は10年前にオープンしましたが、
あの頃の中国といまの中国には天と地ほどの違いがあります。
10年前は家賃を決める時、
ヨーカ堂の総経理に
「売っている物も人民元で売っているのですから、
家賃も人民元ではどうでしょうか」
ときかれました。
あの頃は人民元を信用しない人が多かったので、
家賃はほとんどが米ドルで決められておりました。
うちの総経理が私にそうきくので、
私は即座に
「将来、人民元の方が強くなる時が必らず来ます。
だから人民元で決めてもかまいませんよ」
と答えました。
10年たって見ると、人民元の切り上げがはじまっただけでなく、
中国政府が粘りに粘って
ダーティ・フローティングを続けているので、
世界中がヤキモキしています。
伊勢丹の家賃ももちろん、人民元で精算しますが、
まさか日本でも最も先端を行く高級品を扱う百貨店が
沿岸地帯から遠く離れた奥地の大都会で、
日本とあまり違わない高級品の店をひらくとは
想像してもいませんでした。
すぐお隣りのイトーヨーカ堂もいつも大入満員で、
金土日は店の中も通り抜けができないくらいの
人だかりがしています。
1千万人も人口があると、
ニューリッチがたくさん誕生したと言っても、
スーパーのお客がデパートに取られてしまう
という心配はありません。
私と一緒に九塞溝まで出かけた帰りの考察団の仲間も含めて
私たちのグループは50人あまりで
オープニングに参加しましたが、
西部一の大都会の
本格的な消費経済のスタートのテープ切りですから、
広い大通りが人の群れで埋まるような大盛況でした。
ついこの間ロケーションをかえて新しくオープンした
天津の伊勢丹も高級品が売れに売れて、
商品構成を新宿の本店並みにすると担当者が話していましたが、
成都でもそれと同じことが起るかどうか
見守っているところです。
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