中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2588回
資産インフレ株で予行練習を

このまま過剰流動性が続けば、
中国に資産インフレが来ることは
ほとんど間違いありません。
既にその兆候は見えています。
株が上がりすぎて、
投資家たちの間に高所恐怖症が生まれています。
2月に上海を震源地にして
アメリカやヨーロッパにまで波及する
株価の暴落が起りました。
でも一わたり震動が終わると、
上海株はすぐに元気を取り戻して
またまた史上最高値を更新しています。
下落するどころか、更に空高く舞い上がるために、
少し姿勢をかがめただけのことだったのです。

もちろん、中国当局は投資が
更にすすんで不動産の値上がりや
株高が起ることを極端に警戒していますから、
金利の引き上げとか、貸出しの制限とか、
次々と手を打ってきます。
でも国内で流通する人民元がふえるのを抑制しない限り、
こうした抑制策はすべて役に立たないことは目に見えています。
したがって次に起るのは
不動産と株の値上がりだということに間違いはなさそうです。

もちろん、資産が短期間にあまりに急速に値上がりすることは
感心したことではありません。
国内における富裕層と低所得層の格差を
一段と拡げることになってしまうからです。
しかし、資産の値上がりは
資産の運用をしている人たちにとっては
「面白いようにお金の儲かること」ですから、
歓迎されないことではありません。
従って、自分だけおいてけぼりにならないためには
資産インフレを前にして
不動産か株のどちらかにしがみついて
逃げられないようにする必要があります。
その際、不動産を買うだけの持ち合わせがないとか、
私が言うように
中国の不動産は手に合わないことが多いということになれば、
不動産株とか、金融株のような
資産インフレの恩恵を蒙る業種の株で
代替することが考えられます。

既にこれらの株を買ったことがあり、
それぞれの株の癖を熟知しておれば鬼に金棒ですが、
株にも「無くて七癖」がありますから、
いまから資産インフレ株を買う予行練習を
やって見て下さい。


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2007年4月11日(水)

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