中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2587回
土地勘のない人に不動産投資はすすめません

もちろん、不動産投資と言っても、
一人で何十億円もするビルを丸ごと一棟、投資できる人は
そんなにたくさんはおりません。
精々のところ、ビルかマンションの中の
一部屋か二部屋買うというのが大半でしょう。

その場合はもっと気をつけなければならないことが
たくさんあります。
買う側にとって大切なことは、
どんなロケーションにあってどんな用途に使われるのか、
投資の場合はすぐに貸せて、
どのくらいの収入が見込めるかが大切ですが、
もっと大切なことは
契約をして予約金も払った物件が
はたして予定通り引渡してもらえるかどうかです。
香港の有名な財閥が建てているとか、
既に株式を上場している有名企業の手がけている物件なら
大丈夫でしょうが、
名も知れぬ施工業者なら、手抜きをした上、
資金が思うように集まらないと、
手付金をもらったままドロンを決め込む業者もあるからです。
それから賃貸の保証をする業者もありますが、
自分の手に負えないとわかると、
約束を履行しないことも往々にしてありますから、
そうした事が起った場合も
大丈夫な物件であることを確める必要があります。
もちろん、どういう用途の部屋であるかを
確める必要もありますし、
オープン後の管理がちゃんとできているかどうかも、
将来の不動産価値を大きく左右します。

しかし、そうした諸条件もさることながら、
中国の不動産を買う場合、
一番頭に入れておかなければならないことは、
中国の不動産は値段の安定したものではなくて、
株式投資に負けないくらい
その時々の相場で大きく動くということです。
ですから、これくらい物件が出揃ったら
海の物とも山の物ともわからない新築の物件を買うより、
既に評価の定まったセカンドハンドの物件を、
できれば不況で値段の下がった時に仕入れることを
おすすめします。
但し、それができる人はその土地に住みなれて、
既に土地カンと不動産の相場に通じている必要があります。
現地に仕事を持っているか、住んでいる人以外には
中国での不動産投資はあまりおすすめできません。


←前回記事へ

2007年4月10日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ