第2532回
正しい物の見方とあとは辛抱
株の情報には役に立つものとそうでないものがあります。
「知ったがしまい」というように
誰でも知っていることは情報ではありません。
オリンピックがあるとか、上海万博があることは
誰でも知っていることですから、
それが株価に影響することはありません。
実際にたくさん人が集まったり、
北京や上海の不動産が値上がりしたとしても、
それは既に株価に折り込み済みだと考えるべきです。
私が役に立つ情報というのは、
ふと耳にしたり、目で見たことが
自分の物の見方に大きな影響をあたえる場合です。
そういう情報には私もいつも気をつけています。
しかし、それよりずっと重要なことは
時の流れがお金の流れにどういう影響をあたえるかということです。
たとえば経済の成長によって多くの人のふところ具合が豊かになったら、
お金の流れはどちらに向って動きをかえるかは
株式市場に大きな影響をあたえます。
自動車を買いたがったり、
自分の家を持ちたがったりするのは誰にでもわかりますが、
若い人の間で自動車がマイホームに優先するのは
日本も中国も同じでしょう。
また金に余裕ができたら、
生命を惜しがるようになりますから、保険に入りますが、
生命保険と自動車保険では、
中国人と日本人では考え方が違います。
生命は惜しいですから生命保険に入る人が圧倒的にふえます。
また、病気になったらいままで以上に薬にお金を使います。
でも自動車をぶっつけても保険会社が払ってくれるとわかったら、
車をぶっつける時も思い切ってぶっつけるところは
中国人のエゴイズムと関係があります。
そこで生命保険の株と財産保険の株に
大きなひらきができてしまうのです。
私はいつどんな思いがけないことが起るかといった情報よりも、
経済の流れ、お金の流れの中を貫く法則に重きをおきます。
いつそれが起るかはわかりませんが、
必らずいつか起ることであれば、予想ができるからです。
それが実際に起って株価に現われるのを
じっと待つのが辛抱だと私は言っているのです。
|