第2531回
私は株の情報屋ではありません
最近、このコラムを読む人が激増しています。
それはそれで喜ばしいことですが、
どうしてですかときいたら、
私が推奨する株がよく値上がりするので、
その情報を知りたい人がふえたからだ
という返事が返えってきました。
私は株式評論家でもないし、
証券会社を経営しているわけでもないし、
人にどの株がいいからお買いなさいと薦める立場にありません。
それに情報を流す立場にもおかれていません。
私が株の話を文章に書いてから凡そ半世紀近くたちましたが、
私が書いたのは株の情報ではなくて、
株についての物の見方、考え方です。
株式売買を貫く法則とか、
いま起こっている変化をどう見るかという物の見方です。
哲学というと少し大袈裟になりますが、
現象の中を貫いている傾向をどう解釈するか
という物の見方ですから、
それに賛成の人にしか役に立たないものです。
情報は時間がたつと古くなって役に立たなくなります。
株の情報は知った瞬間から過去のものとなり、
私が株のことをとりあげた時代の株式評論家たちのうちで
今日、生き残っている人はほとんどいません。
それに対して、私は株式投資を貫く法則とか、
人間心理について述べてきましたので、
私が初期に書いた
「私の株式投資必勝法」とか
「儲かりまっか」とか、
「株の法則」とか言った本は
いまでもたくさんの人に読んでもらっています。
情報でなくて原則だからです。
その原則をいまの中国社会にあてはめて解説しているだけで、
「どの株を買え」と文章に書いたことは一度もありません。
私の書いた物をどう解釈するかは読者の勝手ですが、
短期勝負で株をいじくっている人たちが
私のとりあげた株を買って値上がりしたら
私がサヤを抜いていると悪口していますが、
そんなやり方でやっても
大した果実にはめぐりあえないことを
知らないのではないかと思います。
どうか情報と思わずに、
物の見方として妥当かどうかご自分で判断して下さい。
私は株価が倍になってもほとんど売っていません。
なぜならもっともっと上に行くと思っているからです。
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