中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2362回
それでもロシア旅行に行きたいですか

20年ぶりにロシアに行ってきました。
十年一昔と言いますから、ニ昔もすぎたら、
どんな具合に変わったのだろうかと半ば期待し、
半ば頭をかしげながら、モスクワ入りをしました。
少しは道も清潔になり、走る自動車の数もふえましたが、
住んでいる人たちが同じで、
考え方もあまり変わっていないので、
目を見張るような変化には
とうとうぶつからずに終わってしまいました。

先ずモスクワの飛行場に着陸して、
飛行場でスタンプを押してもらい、
荷物を受け取って外へ出るまでに2時間かかってしまいました。
入国のゲートで旅客が並んでも、
入国審査官が来るまでに時間がかかり、
入国審査官が自分の椅子に座っても
すぐにゲートをひらかないのです。
ロシア人と外国人のゲートは違いますが、
自国人のゲートを見ているとあとから来た人が
平気で並んでいる行列の中に割り込みます。
割り込まれた側が文句を言うかと思ったら、それもなく、
何十分でも辛抱強く待っているのです。
私は以前、15人のグループで来て、
一流ホテルの部屋のチェック・インに
一時間半かかった経験がありますので、
大して驚きませんが、
一緒に来た人たちはあきれはてて、物も言えない様子でした。

入国だけがそうかと思ったら、
4泊して再びモスクワを出国する時は
更にそれに輪をかけた渋滞ぶりで、
荷物を預ける航空会社のフロントに行きつくまでに
一時間半以上も行列をさせられ、
飛行機がとぶまでに2時間も遅れてしまいました。
北京行きの中国の飛行機を選んだせいもありますが、
あんまり早く入れると、
中国人はあちこちうろついて飛行場の邪魔になるから、
わざと荷物検査の窓口は1つだけに制限しているのだと
ガイドさんから説明を受けました。

国の玄関口を入る時と出る時に辛抱強く立たされただけで、
この国の社会主義の能率とサービス精神がどんなものか、
いやというほど思い知らされるのが
ロシアの旅だと思ったら先ず間違いありません。


←前回記事へ

2006年8月28日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ