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第2356回
なぜ中国で都市ガスは成長産業なのか

私が都市ガスの普及を中国の成長産業の一つにあげると、
日本の投資家の大半はけげんな顔をします。
日本では都市ガスは電力と同じように普及しており、
あとはガス代でもらうお金がガス会社の収入の柱になっている
というのが日本人の常識になっているからです。

ところが、中国ではまだこれから
都市ガスの普及が本格化する段階におかれています。
試みに香港のハンセン銘柄の3番目にある
香港中華ガスの解説を見て下さい。
香港中華ガスの株価は18ドル台で、
中国のどのガス会社よりも高価を維持しています。
香港では都市ガスが160万世帯に普及し、
1株につき0.35元の安定配当をずっと続けています。
董事長の李兆基という香港きっての不動産会社のオーナーは、
最近、ガス産業の更なる成長を見込んで、
既に所有している37.5%の持株を更に買い増しています。
どうしてかというと、
同社は最近、中国大陸に進出して
都市ガス供給をする契約を31の都市と契約したからです。
香港だけでなく、供給が大陸まで及ぶことになると、
いままでに考えられなかった
大きな市場が見込まれるようになったのです。
香港中華ガスのこうした動きから見てもおわかりのように、
中国大陸における都市ガスの普及は
これからはじまるところと見て間違いありません。

いまのところ、香港市場に上場されている大陸の都市ガスは
中国燃気、パンバガス、前掲の新奥燃気、
それに鄭州ガスと新海能源です。
百江燃気と中国語で書くパンバガスは株価が3ドル台、
中国燃気が1ドル台、それに対して鄭州ガスと新海能源は
ほぼ同じスピードで増収増益しており、配当もほぼ同じで、
どちらも1ドルに達していません。
鄭州ガスの方が高いのは
証券会社の配達する株価リストの中に載っているのと
載っていないのとのひらきだと思いますが、
都市ガスの顧客の契約戸数の増加は時間のかかることですから、
高度道路の株がそうであったように、
辛抱強い人でないと株主はつとまらないと思います。


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2006年8月22日(火)

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