第2321回
利廻わりが株価の値上がりに追いつかなくなります
これまでの中国株の特色の一つは
配当利回りがよいということでした。
もちろん、無配や減配ということもありますが、
一流株でも
利回りが5%あるいはそれ以上になる株が珍しくはありません。
日本の株価の平均利廻わりは1%ちょっとですから、
日本の4倍も5倍も配当があることになります。
そうなると、
日本の銀行に定期預金をしておくよりもずっと有利ですから
経済安全なら中国株に投資した方が
トクだということになります。
株の場合は相場による上がり下がりがありますから、
不安だと考える人があるかも知れませんが、
それは日本株についても言えることです。
日本株ならよく知っているから
あまり心配はないと思うかもしれませんが、
日本株のダウは最高の3万9千円から
7千600円まで下がった記録があるのですから、
日本株の方がずっとひどいことになっています。
そんなことで気をもむ人は、
いずれにしても株に近づかないに限ります。
それに対して5%にも回るということは
株を持っているだけで日本株の5倍も収入がある
ということですから、
私ならそちらに移ります。
たとえば、日本で配当金を100万円もらおうとしたら、
1億円くらい株を買わなければなりませんが、
中国株なら2,000万円で間に合います。
その上、値上がりを楽しめるということですから、
選択に迷っているヒマなんかありません。
ではどうして日本株との間にそんなひらきが生ずるかというと、
中国の株式市場はまだ歴史が浅く、
株式投資に投ぜられるお金が日本に比べてうんと少いからです。
しかし、いつまでもこの状態が続くわけではありません。
1年に9%にものぼる経済成長が続くと、
かつての日本がそうであったように、
人々のふところ具合が日増しによくなり、
株式に対する関心も強まるので、
投資に投じられるお金も大へんな勢いでふえます。
その上に外国からの投資もふえるので、
株価が上昇に向います。
利益のふえ方がそれに追いつかなくなるので、
利廻わり採算が悪くなるのです。
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