第2311回
私のやりたい自動車修理学校が既にありました
自動車の修理学校を中国でつくりたい話は
この欄でも何回か書きました。
上海の新焦点は上海の郊外に
小さな規模の修理学校を持っていますが、
教える内容は自動車の美容とか、タイヤの入れ替えとか、
へっこんだ車体のバンキン塗装のような簡単なことだけで、
半年も勉強すればすぐに現場に移ってしまいます。
マイカーのオーナーにしても、
月賦の支払いに追われていますので、
車の中の音響装置を入れ替えたり、
内装を一変させるようなところまでは考えが及びません。
ましてや重大な事故を起こした場合の修理は
メーカーの修理工場まで持ち込むことになります。
ですから当座、
町の修理工場に必要な技工は
自動車メーカーに要求されるものに比べれば
ごく初歩的なものにすぎません。
でも私は将来の事を考えて、
場合によってはメーカーと提携ができるような
高度化した自動車修理学校を頭の中に描いておりました。
上海でそうした学校をひらいても、
どうせ応募する学生は田舎から出てきた人たちにきまっています。
それならば地方に学校をつくるのも手だと思って、
四川省とか、安徽省とか雲南省を頭の中に描いていました。
ところが、その候補地の一つとして
実際に寧夏回教自治区にのこのこ出かけて見ると、
何といくつもの自動車修理学校が既にできていたのです。
それもちゃんと自分たちで授業料の払える
恵まれた家庭の子弟を入れる学校と、
授業料はおろか、食費も払えない貧困家庭の子弟を集めて
一切無料で教える学校が既に運営されておりました。
有志の人が千人の学生を
1年だけ支えられるだけの寄付を申し込んで
運営されておりましたが、
私は長く続けられないと意味がないと考えて、
500名だけでいいから
毎年続けられるだけの資金を提供する申し込みをしてみました。
大したものだなと感心されるかもしれませんが、
この方が自分で自動車学校をつくるよりもずっと安上がりなのです。
世間はやっぱりあちこち歩き廻わって見るものだなと
考え込んでしまいました。
|