第2304回
外人投資家の見方が中国株に影響する段階に
もしアメリカの機関投資家の資金が香港市場に入るとすれば、
ウォーレン・バフェットが中国石油の株に買いを入れたように、
どうしても大型株中心の相場になります。
銀行や生命保険のような資本金の大きな会社の株が
狙われる可能性があります。
しかし、銀行も保険会社もまだ緒についたばかりで、
配当金にまわせるお金が少ししかありませんから、
利廻り的に問題があります。
ことしの末でWTOに中国が加盟してから
満5年になるところですから、
これから年末に向って
加盟にあたって約束したことがどれだけ実施されるか、
腕の見せ所です。
人民元の切り上げも何だ、かんだ言いながら、
少しずつ形になるでしょうし、
人民元の自由化も自国民に外貨を買わせて
外貨準備高の圧力を軽減するためには
もっと具体的な対策をとるようになるでしょう。
株式市場にしても、
一挙にA株市場が開放されるまでには
至らないかも知れませんが、
香港株やB株を買う外人投資家の考え方が
A株の株価にも大きく影響する時代が近づいています。
その小手試しとして、
香港H株やレッド・チップに
アメリカの資金が入ってくるとすれば、
それだけで香港市場が大涌きに沸くことがあり得ます。
しかし、私は中国株の相場は
既に高度成長の第二段階に入りつつあると見ています。
どういうことかと言うと、
一流株の株価は
利廻り採算ぎりぎりのところまで買い上げられていて、
僅かな例外を除いては、
更に買いすすまれる材料が多く残ってはいないのではないか
ということです。
たとえば、鉄にしても石炭にしても、
電力が最先に壁に頭をぶっつけましたが、
それと同じ環境に遭遇するのではないかということです。
たとえば、上海振華や万科企業の株価が
更に上昇を続けることがあったとしても、
馬鞍山鋼鉄や伊泰コールがそれに続くかどうかということです。
一流株が頭をぶっつける段階まできたのではないかという
心配がでてきたのです。
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