第2297回
メニューが料理の美味を決定します
邱飯店のメニューの細部にわたって
クダクダと述べてきましたが、
中華料理は一皿一皿の料理の出来不出来も大切ですが、
一番大切なことは
メニュー全体のバランスがとれているかどうかということです。
もちろん、口や舌がスムーズに受けつけてもらえるか、
また胃に入ってからのおさまり具合がよいかどうか、
従って材料にバランスがとれているかどうかだけでなく、
料理法にバラエティがあるかどうかもゆるがせにはできません。
そうしたバランスのとれたメニューは
レストランのコック長にきいても、
マネージャーにきいても満足な答えは得られません。
どうしてかというと、
コック長はキッチンを監督をする立場にいても
自分は食べる側にいないし、
どうしても料理をつくる鍋や
人の都合のことばかり考えてしまうからです。
またマネージャーも売上げのことばかり頭にあって、
料理の出てくる順序についてさえ
神経の行き届かないことが多いんです。
陶朱公館においてさえ、
うちの娘が里芋とカボチャの料理を指さして、
「この2つ重複しませんか?」
ときいたら、
「いいえ、別々の料理ですよ」
と返事をされて、あとでずっとブツブツ言っていたことがあります。
料理のメニューは
やはり食べる側のベテランが指定するに限ります。
そう思って、2、3人で食べる場合はこれがいいとか、
5、6人で食べる場合はこれがいいという
モデル・ケースを私がつくってみました。
また同じメンバーが2回目、3回目に行った場合、
重複しないですむメニューも考えてみました。
私ならこういう注文の仕方をするという模範メニューが
三全公寓の陶朱公館に行くと置いてありますので、
マネージャーにきいて見てください。
私にとっては北京に行ってまで、
また自分の家と同じメニューでは面白くありませんが、
いまはうちのおばちゃんたちのつくる料理よりも、
北京のコックのつくる邱家の料理の方が
遥か上になってしまいました。
北京にいる方も北京に旅行に行かれる方も
一度は三全公寓の陶朱公館に食事に行って見て下さい。
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