第2186回
ソフトはインドの突出したニュービジネスですが
いま話題になっている
新しいインドを代表するニュー・ビジネスは、
ご存知の通りIT関係の、
それもインドのシリコン・バレーと言われる
バンガロールに基地をおくソフトの会社群です。
私たちはインド貿易振興会の紹介を受けて
インフォシスという
インドを代表するソフト会社を訪問しました。
広大な敷地の中に立派な近代的な建物が並び建ち、
ソフトの会社ですから、パソコンと技術者以外に
何ら見るべき機械設備は一切ありません。
はじめて私と同行した考察団の人は
インド一の大会社と言われても
何も見る物がないのにびっくりしていたようですが、
私は中国の瀋陽にできた50万平米の敷地に建った
中国一のソフト会社を見学に行って同じ目にあっているので、
さして驚きはしませんでした。
ここもアメリカに留学したインド人の学生が何人か集まって、
250ドルからスタートして何億ドルの、
商売をやるようになったそうですが、
台湾のITビジネスが
主としてパソコンのハードの生産に従事しているのに対して、
専らソフトだけでハードは一切扱っていないのは、
アメリカに留学した台湾の人たちが
ちょうどパソコンの揺籃期に出食わして
ハードを扱う立場に立ったのに対して、
少々遅れてソフトに皆の関心が移った時に、
インドの留学生がパソコンにぶっつかったせいだ、
と私は解釈しました。
インドの人は数学の天才で、
ゼロを発明したのもインド人なら、
インド人は二桁の暗算はお手の物だと言われています。
だからソフトはインド人向けの産業だし、
インド人が世界のトップを行くだろうとハヤされていますが、
それはほんの一部の人にあてはまることで、
計算機ができてからは
二桁の暗算より計算機に頼る人がずっと多くなったとききました。
しかし、
たとえインド全体から見たらほんの一部だけのことであっても、
ソフトがインドで突出した新興産業になったことは
間違いないようです。
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