中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2184回
インド旅行から帰ってきたところです

やっとインドから上海を経て東京へ帰りついたところです。
今度のインド旅行は僅か八日間だけでしたが、
デリからチェンナイ、バンガロール、
ムンバイ、ジャイプール、アグラ、デリと
六ヶ所をグルリと一まわりする
とても忙しい日程でした。
ずっと一緒にまわってくれた現地のガイドさんに
「こんな忙しい日程を組む旅行団とつきあうのははじめてです」
と笑われましたが、前に行ったことのあるカルカッタを除けば、
大都会と観光都市はほぼ一巡したことになります。
それというのも
いま世界の注目の的になっている
バンガロールを覗くのが主な目的でしたが、
この機会に他のインドの地域と見比べてみたいという
氣持も強かったからです。

私はインドは中国についで人口の多いところで、
もし中国に次いで同じ勢いで経済が成長したら、
世界の地図は半世紀もしないうちに一変するか、
はたしてそういうことになるのかどうか、
この目で見て確めてみたいと
かねてから思っていました。
とりわけ最近はインドの高度成長がはやしたてられ、
インド株への投資をすすめる新聞記事も少くありません。
なかでも中国大陸を敵視する立場にいる人たちは
日本とインドが組んで
中国を包囲する作戦をすべきだと口に出している人は
インドの経済成長を盛んにもちあげています。
台湾の陳水扁総統も中国に対抗するために、
台湾の実業家たちに中国をとびこえてインドに投資することを
国益として奨励しています。

でも地球上、どこが投資先として有望かは
政治家に教えてもらわないでも、
商売人たちが一番よく知っています。
政治家は地元の票によって支えられている人たちですから、
地元のことにばかり氣をとられて
それ以外の土地のことはよく知らないし、
また詳しく勉強もしていません。
私がインドに足を運んだのは今度が二回目ですが
自分の目で見てとても勉強になりました。
結論から言えば
インドのことを考えるのは
もっと先になってからでも間に合うということです。


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