第2138回
老齢化が進めばもっと大へんですよ
国中が年寄りだらけになって、
しかも面倒を見てくれる人がいなくなると
大へんなことになります。
面倒を見ていた人も
面倒を見てもらう側にまわることは
目に見えていますから、
あとはロボットでも使うことになるのでしょうか。
私は看護婦と付き添いのおばさんと、
畑で農業に従事する人は
いまに補いがつかないようになるので、
外国から連れて来るよりほかない時が
来ると思っています。
でも日本は閉鎖的な国で
外国から労働者を入れることに
堅く門をとざしていますから、
動きのとれなくなった老人を
外国に輸出することの方が
たやすいかも知れません。
そうなったら、
海外で物価が安くて気候もよくて
暮らしやすいところに
老人ホームや日本人村をつくる方が
実際的だということになります。
フィリピンやタイは
さしあたり有力な候補地ですが、
中国では広西省とか海南省とか雲南省のように
冬も暖かくて暮らしやすいところを
そういう目で見る時代が来ることも考えられます。
私は15年も前から東南アジアの国々を
そういう目で見てきました。
老人がよく死ぬのは
寒さがはじまる気候の変わり目が多いそうですから、
長生きをしてもらうためには一年中、
暖かいところがいいと言われています。
年寄りが病気になった時
昔なら看病する人に
来てもらうことしか考えませんでしたが、
いまは交通も便利になったし、
国境の壁もとれるようになったので、
反対のことも考えられます。
しかし、そうは言っても
思い切って外国まで行く気を起す人は、
その反対の人の10分の1もないでしょうから、
看護人の不足は目に見えています。
私が中国に日本語学校をつくって
中国人の若い人に日本語を教えているのも、
そういう遠大な構想があってのことです。
日本人の方が金持ちですから、
お金を払う方の言葉を
お金をもらう側が覚えるのが順当でしょう。
以上のようにちょっと思いついただけでも
老齢化社会の未来を考えたら
頭の痛いことは山ほどあるのです。
日本人にとってお金のあることが
まだいくらか救いになっていることに
間違いはありませんが。
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