第2115回
後進国ほど工夫をすればチャンスは多い

同じ発展途上国でも
後進国に属する進歩の遅い国では
どうやったらよいか、
実験をするのにミャンマーは
いいところだという強い印象を受けました。

佛跡が売り物の国だけに、
ビルマの人たちは信仰心も厚く、
人間もおだやかで、いつも笑顔をたやしません。
恐らく世界一、愛想のよい人たちでしょう。
男でもスカートを穿いているくらいですから、
喧嘩腰のところは全くなく、
どちらかというと男の物腰も
女性と区別がつきません。
ならば使いやすいと思うかも知れませんが、
佛様も昼寝をしているくらいですから、
叩き起こして
働かせるだけの威力を持った指導者でないと
成功できないかも知れません。

資源は未開発だし、
農業は何千年来のやり方を
墨守しているだけですから、
米でも野菜でも果物でも、
品種改良されていません。
それらの食品の料理をする場合も
ただ火を通すだけで、
ダシを使うというアイデアがないのです。
だからスープを一口、口に入れただけで、
もうスプーンをおいてしまいたくなります。
みんなが貧乏するのは、
先進国に見習ってそれを改良する精神が
欠如しているからだと言いたくなります。

そういう国に住めと言われたら、
あなたならどうされますか。
私はいつもそうなった場合のことを考えて
一応は案をたててみます。
ミャンマーはそんなに難しい国ではありません。
インドよりはやさしいかも知れません。
なぜならば、人間が素直で、
言うことを聞いてくれるからです。
その代わりまだ所得も低く、
お金を持っていませんから、
国内消費市場をあてにするわけには行きません。
国内の資源と国内の労働力を活用して
外国に輸出するか、
外国から観光に来た外国人のふところを狙うか、
のどちらかです。
何しろ果物も料理もおそろしくまずいのですから、
ちょっとチエをしぼって改良をすれば、
よそのお客を全部とってしまうことができるのです。
ちょっと工夫すれば、
チャンスがいくらでもあるのです。


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