第2023回
人民元の小幅調整は日程に入ってきました

7月21日に
人民元の2%の切り上げを発表してから
1ヵ月あまりたちましたが、
為替レートはそこにピタリと貼りついたまま
全く動きません。
2%は固定相場の訂正ではなくて、
変動相場制への足がかりだと
人民銀行の総裁は説明していますが、
人民元に大量の買いが入っても
人民銀行が無制限に人民元を売れば、
為替レートは動きません。

表向きフローティング制を採用しても、
政府がレートのコントロールをするのを、
ダーティ・フローティング
(きたない変動性)と言います。
為替を一定のレートに保ちたいと考えている国では
どこでもそういう政策をとります。
日本もかつてはそうでした。
現在でもレートが目にあまる方向へ向くと、
日銀が調整に打って出ます。
ですから人民銀行だけがきたない調整をしていると
一方的に批難することはできません。

しかし、人民銀行が僅か2%でも
為替レートを切り上げる挙に出たことは、
この堰に小さな穴があいたということです。
外貨が今後、中国を目指して動くことをやめたら、
この穴はしぜんにふさがってしまいますが、
今後更に一段とふえ続けることになると、
2%は更に大きな穴になって、
人民銀行はそれを防ぎきれなくなります。
いまのところ、中国の手持ち外貨は
既に7000億ドルに達し、
毎月、2、300億ドルのスケールで
ふえ続けていますから、
中国の外貨準備高が
日本の外貨準備高と肩を並べるのは
そう先のことではないということになります。

つまり人民銀行が
為替レートを決めるのではなくて、
外貨の貯まり方が圧力になって
為替レートを動かすことになるということです。
アメリカでは25%の調整が望ましいと言っていますが、
1ドル8元が1ドル6元になれば、
いきなり大地震に見舞われるようなものですから、
中国経済の耐震対策から見ても、
それが受け入れられる可能性は
ほとんどありません。
となると2%か、それに近い小幅調整は
避けられないことになります。
私たちはそうした変化を見込んで
対策をとればいいということです。


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