第1954回
お金持ちになるくらい大したことではない
お金持ちになると言っても、
自分だけがお金持ちになるのと、
隣りもそのまたお隣りもお金持ちになって
国全体がお金持ちになるのと、
二通りあります。
お金持ちというからには、
先ずお隣りに比べてお金持ちになるのでなければ、
お金持ちということはできません。
ですから貧乏な国にもお金持ちはおります。
どちらかというと
貧乏な国ほどお金持ちの存在が目立ちます。
みんなが貧乏しているから
一きわ目立つということもありますが、
貧乏な国では特権を持った人ほど
金持ちになるチャンスがあるので、
その特権を利用して
お金を集める貧乏国のお金持ちほど
たくさんのお金が集まり、
豊かな国のお金持ちに負けないどころか、
それを凌駕することが珍しくありません。
ブルネイの王様が
世界でも1、2を争う大金持ちだとか、
マルコスがスイスにかくしたお金が
いくらになるとかささやかれるのは、
いずれも貧富の差の大きな貧しい国の話です。
どちらかと言えば、そういう国で
お金持ちになるチャンスをつかめば、
同じお金持ちでも
桁違いの大金持ちになれるでしょう。
でもいま私たちがなりたがっているお金持ちは
そんな大金持ちのことではありません。
立派な家があって、
車はベンツかレクサスを乗りまわすことができて、
どこに旅行に行くのにも
ファーストのチケットを平気で買えて、
死ぬまでお金に不自由しなければ、
まあ、お金持ちの仲間入りをしたと言って
よいと思います。
その程度のお金持ちになるのなら、
その気になれば、
そんなに難しいことではありません。
魚のいないところで一生懸命、魚釣りをしても
魚はかかって来ませんが、
お金の流れてくるところを探がして、
先廻わりをしてザルを持って待っておれば、
ザクザクと言うわけには行かないかも知れませんが、
ベンツやレクサスを運転するくらいにはすぐなります。
嘘と思ったら、
「お金持ちになれる人」
(ちくまプリマー新書 最新刊)を
パラパラとめくってみて下さい。
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